はづれぐさ

“はずる”シリーズ(旧キャストパズル)を中心に、感想・よしなしごとを書くブログ

キャストホース/CAST HORSE 感想

“はずる”シリーズより、キャストホースについて書きます。
大きなヒント・ネタバレを含む部分はクリックしないと見えないように隠しますが、まっさらな状態で取り組みたい場合は読むのをご遠慮ください。


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キャストホース CAST HORSE
評価:★★★★★☆
デザイナー:Nob. Yoshigahara(過去の名作を、Nob氏が設計監修のうえ復刻)
発売年  :1984

公式難易度:★★☆☆☆☆
体感難易度:★★☆☆☆☆
クリア時間:外すのに5分、戻すのに8分

 

キャストフラグと一緒に、私が初めて購入した“はずる”の一つです。フラグを解いたあと、「もう片方のホースは勿体ないから明日やろう」とか思ってたのですが、5分後には弄ってました。誰も私のフロンティアスピリット*1を止めることはできなかったのです。
そう、フロンティアスピリット。パッケージの紹介文によれば、キャストホースのルーツは、アメリカ西部開拓時代のカウボーイが考案した、馬を盗まれないための蹄鉄を使った鍵だとのことです。エピソードの真相はともかく、確かにこれで馬をつないでおけば、並の泥棒の目は欺けそうです。なにせこれを見ても、多くの人はそもそも外れるとは考えないはずです。鍵であることを悟らせないというのは、鍵の一つの到達点かもしれません。

「外れそうで外れない」あるいは「外れなそうで外れる」という意外性は、“はずる”の魅力の重要なファクターだと思います。このキャストホースは「外れなそうで外れる」の代表格と言えるでしょう。とても構造がシンプルなため、一見してすべてを把握した気になり、試行錯誤の余地すらないように感じてしまいます。
私の場合、どうやったら外せるかの見当をつけないままに、適当に動かしていたら外せる状態になったという感じでした。何回か繰り返せば着脱はすぐにできるようになりますが、外れる仕組みを言葉にするのは難しく、今でも胸を張って理解したとは言えません。解けたあとにスッキリ感とモヤモヤ感が両立する、不思議な作品です。

ところでこのパズル、デザインの改変のし易さゆえか、同じ仕組みを使った商品がハナヤマからいくつか発売されています。
和をテーマにした知恵の輪、パズリングジャパンシリーズには、桜・富士山・東京タワーをモチーフにしたものがあり、修学旅行生が木刀を買うタイプのお土産さんとかに売ってそうな雰囲気を醸し出しています。
また、今は廃番のようですが、ディズニーとコラボしたキャストパズルでは、くまのプーさんがラビットの家に嵌ってしまった状態を模したものがあります。
解いている絵面を想像すると、東京タワーやプーさんは中々にシュールです。

以下、解けない方向けのヒントです。

ヒント

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嵌っているリング状のパーツには、一切触れることなく解くことができます。一度リングの存在を忘れて、鎖で繋がった二つの蹄鉄を色々と動かしてみてはどうでしょうか。
 

以下、ネタバレを含みます。解いてからご覧ください。

ネタバレあり感想

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商品紹介に「頭だけでなく、パズルもひねらないと解けない」とあります。上手いこと言ってるのですが、これはちょっと核心に迫りすぎな気がします。……外箱に書いてる文章なのにネタバレとして取り上げるという、なんだか変なことになってしまいました。

*1:私はアベベコべべという反対語を考えるボードゲームで、ホームシックの反対語としてフロンティアスピリットを挙げたら誰にも伝わらなかった苦い経験があります